ゼミ紹介

『大学案内2022』より

法学部 竹村ゼミ「国際法」
国際社会の法を学び地球規模の課題に取組む

竹村 仁美 准教授

竹村 仁美 准教授

2003年一橋大学大学院法学研究科修士課程修了。国際刑事法を学ぶため、2003年渡蘭。アイルランド国立大学ゴールウェイ校附属人権センターにてPh.D.取得。九州国際大学法学部助教・准教授、愛知県立大学外国語学部准教授を経て2016年から一橋大学大学院法学研究科及び国際・公共政策大学院准教授。専門は国際法。

ゼミ風景

竹村ゼミは、国際法を学ぶ場です。法学部というと、一般には、憲法、刑法、民法といった六法に掲載されている国内法を学ぶイメージが強いと思います。では、国際法はどのような法でしょうか。一言で言えば、国際社会の法です。国際法は国際社会を基盤として成立し、国際社会を構成している国家と国家の関係、国際組織と国家の関係などで適用されています。
今日、国際法は様々な分野を規律しています。中でも、わたしは国際刑事法という個人の刑事責任を国際法上追及するための国際法を専門としています。しかし、教員の専門にとらわれず、幅広く国際法の分野に触れてもらうため、3年次には国際法学の演習書全体から関心のあるテーマについて報告してもらいます。国際法の法源、国家責任法、国際組織法、国際海洋法、国際人権法、国際環境法、国際紛争処理法など多岐にわたる分野の国際法の諸課題に触れ、自然と研究対象とする国際法分野が見えてきます。
とは言っても、外務大臣や外務省職員でない限り、国際法がどのように使われるか想像しづらいものです。そこで、ゼミでは国家と国家の紛争を国際法によって解決する経験に触れてもらおうと、3年次の秋冬学期に模擬裁判を取り入れています。模擬裁判を通じて、一国を代表する法律家となって、国家間紛争を解決する司法の場で、国際法を用いていかに自国の立場を説得的に主張するかを学びます。勿論、自国の行為の正当化だけでなく、国際法を学ぶことで地球規模の課題に諸国が一致協力して取組む過程も身につけてもらえたらと思っています。4年次には、卒論を執筆するための個人発表が中心となります。
ゼミに入った当初、3年次の学生はしばしば「執行力がなく、国際法はあっても意味が無いのでは」などと、少々冷ややかな問題提起をします。ところが、4年次になると、問題関心は実際に「国際法がどのように機能しているか」が中心的となってくるので不思議です。


繁光 一希

繁光 一希

法学部4年

私たちのゼミでは、国際法に関連したテーマを題材に勉強しています。一括りに「国際法」といっても内容は種類豊富で、扱うテーマは領域、人権、外交などなど。テーマが多様ということは大変なことも多いですが、個人個人が興味のある分野を見つけ深掘りしていくことが可能です。ゼミが始まった当初は、国際法には素人だったゼミ生も先生の助言のおかげで、それぞれが研究したい分野を見極めることができています(私自身は経済や環境と国際法を関連させて考えています)。
竹村ゼミでは3年次に、国際法の勉強として先生にご用意いただいた教材から、国際法に関連する判例についてゼミ生同士で討論を行います。各回異なるテーマを扱うため飽きることもありません!そして、ゼミ合宿やオープンゼミ企画では、国連や国際裁判を模した実践の場で各自の立場でディベートを行います。基礎構築から実践まで楽しみながら研究テーマを深ぼっていくことができる環境です。

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