法学部

アドミッション・ポリシー

受験生へのメッセージ

将来どう役に立つのかが見えない。
転機に役立つ糧となるからこそ、そんな科目にあえて向き合ってほしい

酒井 太郎氏

酒井 太郎教授

法学部長・法学研究科長

法学部生の傾向として挙げられるのは、入学する前から自らが進むべきキャリアパスをしっかり見据え、それにふさわしい学びを得ることに、とても自覚的だということ。いいかえれば、冷静に効率良く学ぶことが得意だということです。
希望の進路を実現するという点からすれば、効率的に学ぶことは有効であるといえます。実際、法学部には、的確なキャリア形成に役立つプログラムが豊富にあります。しかしながら、伝統的な大学が提供するリテラシーもまた、学んでほしいと考えています。人格の基盤となる、多様な教養を身につけてほしいからです。
本学は小規模ではありますが、法学に関するほとんどの分野を擁し、学界をリードする教員が教鞭をとっています。その中には、「何のためにそれを勉強するのか」「将来どう役に立つのか」がすぐには分からない科目もあるでしょう。入学試験で要求されるハイレベルな数学にしても、そうしたものが弁護士や裁判官になるために直ちに役に立つわけではありませんが、多様化、複雑化する社会の諸問題を論理的に理解するうえで大きな力となることは間違いありません。一見自分には関係ないと思える科目にも興味と時間が許す限り向き合うこと。これは大学の4年間でしか経験できないものです。
このような経験が自らの思考を深め、人生のさまざまな段階において「メンター」として現れてくるはずです。そして、その大切さを伝えることが、伝統的な大学の役割であると考えています。(談)

学部概要

良識ある指導的市民としての役割を果たしていくために

法学部は、教育目標として、第1に、法律学・国際関係論の基礎知識及び思考方法を確実に習得させること、第2に、幅広い教養を系統的な視点から習得し、人間性豊かで学際的知識を身に付けた教養人を養成することを掲げています。
まず、なぜ法学と国際関係なのでしょうか。法は、現代の国家運営の骨格を成すものです。国の仕組みから始まって、人や物の動きや経済活動、犯罪への対処、さらには国の枠を超えて国家間の取り決めなど、生活のあらゆる場面でルールを定めています。そして、そのようなルールは、たとえ日本国内の問題であっても、今や国際的諸関係を抜きにしては語れないからです。
教育目標の第1が示しているように、法や国際関係には、個別の紛争解決に役立つという側面があります。ルールを知り、それに従って適切に問題を処理する知識・能力は、複雑化する現代社会で重要性を増しており、単に専門家に任せておけば良いとは言えなくなっています。もっとも、個々の紛争の基礎に横たわる問題を知らなければ、本来的な解決には至らないでしょう。教育目標の第2は、このような側面にかかわるものです。学問として法や国際関係を学ぶことには、より広い視野から問題を把握し、世界を全体として展望する視座を獲得するという意味があります。法学や国際関係論は、正義を、あるいは平和と共生を目指すものであって、それは単なる知識の集積を超えた営みなのです。
世界は、先行きが見えにくい状況になっています。多くの人々が真摯な思考や責任ある判断をなくしているのではないかという指摘もみられます。そのような中で、法的な素養・国際関係の知見を豊かに備えた人が、良識ある指導的市民として果たす役割は、今後ますます大きくなっていくでしょう。一橋大学法学部は、その要請に応える人材を多数育成してきましたし、そのような誇りある地位を今後さらに高めていきたいと考えています。

卒業生から

「やりたいこと」を見つけられる環境

『大学案内2022』より

宮房 春佳

宮房 春佳

2015年 法学部卒業
(株)講談社

人生においてやりたいことを見つけるのに必要な機会(チャンス)と、自由さ、そして尊敬できる仲間たち、今思うと一橋大学にはそのすべてがあったように感じます。
一橋大学には無数のサークル・団体があり、講義以外の時間も国籍、年齢、性別に関係なく集まった仲間と過ごすことになります。私はそこでアジアからの留学生たちの優秀さを目の当たりにして交換留学を目指すようになりました。
高校まで全く英語以外の外国語には縁がありませんでしたので、毎日ネイティブの先生による中国語の授業を受講するカリキュラムを組み学習に没頭しました。このように興味の赴くままに質の高い講義を受講できたのは一橋大学ならではだったと思います。最終的に在学中に海外派遣留学制度で北京大学に留学する機会をいただきました。
私は今、海外に日本の漫画・アニメ作品を販売する仕事をしています。エンタメ業界において海外市場が占める割合は年々増加しており、契約においても、海外の法律・文化・商習慣・言語への理解が遍く求められます。ニッチな仕事ですが、この仕事に出会えたのも一橋大学での経験があってこそです。
受験生の皆さんもぜひ、一橋大学での経験を経て、自分らしい人生を歩む喜びを味わってください!

知識・経験・人間関係の幅を広げる絶好の機会

『大学案内2021』より

稲岡 宏樹

稲岡 宏樹

2010年 法学部卒業
外務省勤務

卒業して10年になりますが、一橋大学の授業やゼミ、部活を通じて得た仲間や経験の一つ一つが確実に自分の財産になっていると実感しています。
法学部の科目に加え、他学部の科目を履修する垣根が低く、他大学の授業を履修できるプログラムも充実しており、様々な知的好奇心を満たすことができました。また、所属していた国際関係論のゼミでの毎週のディスカッションでは、留学生も複数いる中で様々な考え方があることに気付かされました。私は体育会ボート部に所属しておりましたが、4年間寝食を共にし、同じ目標を追いかけた仲間は、卒業後の今でも、仕事やプライベートの悩みを相談したりオフを共に楽しんだりすることのできる貴重な存在です。
現在勤務している外務省の仕事では、特定の国・地域に限らず世界中の様々なカウンターパートとの交渉や調整を行いますが、異文化とのコミュニケーションはもちろん、国際法や経済学に加え、その国の政治、社会制度、歴史、宗教等も踏まえた幅広い視点からの総合的な判断が日々求められます。大学での経験はこうした現在の仕事にも活かされていると思います。
一橋大学は、これから自身の将来を考えていく皆さんにとって、視野を広げ様々なことに挑戦する絶好の機会を与えてくれる大学だと思います。皆さんの将来のご活躍を期待しています。

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