ゼミ紹介

『大学案内2023』より

商学部 加賀谷ゼミ「会計学・企業評価」
経営分析力を磨き、付加価値を生み出す

加賀谷 哲之 教授

加賀谷 哲之 教授

2000年一橋大学大学院博士課程修了。一橋大学商学部専任講師、准教授を経て現任。2013年カリフォルニア大学バークレイ校客員研究員。企業活力研究所CSR研究会座長、内閣府知財投資・活用戦略の有効な開示及びガバナンスに関する検討会座長。主著に『リース会計制度の経済分析』(共著、中央経済社、2018年)等

ゼミ風景

加賀谷ゼミでは、主に会計学や企業評価、経営分析を学びます。会計学は事業の言語であり、企業の経営行動や経営者、投資家による意思決定の基礎となります。そうした事業の言語としての会計学の意義や役割をより深く知り、探求するためには、それが実際にどのように活用されているのか、それらから何を読み取れるのかなど体感することが不可欠です。
会計学を学ぶというと、簿記や会計基準、制度などを学ぶことを想像する方も多いかもしれません。これらの知識を修得することは重要ですが、それだけでは会計学の面白さを深く知ることは難しいと私は考えています。これはいってみれば、英語で単語を記憶し、文法を学ぶことに近いかもしれません。英語を学ぶ主な狙いは、単語や文法を記憶することではなく、コミュニケーションをとることにあると思います。私は事業の言語を支える会計学も同じように位置づけられるのではないかと考えております。
こうしたコミュニケーション手段としての「会計学」を探求するためには、会計そのものの知識を修得するだけでは不十分です。このため、ゼミでは会計学ばかりではなく、経営戦略論や企業価値評価、経営分析論などについても学び、実際に経営者や投資家などのステークホルダーの立場から企業を分析・評価します。経営者の立場から企業が直面する課題は何であるのか、そうした課題を克服するためには何が必要であるのか。そうした結果、企業業績や企業価値はどのように変化するのかなどを探求することを通じて、会計学や企業評価、経営分析の醍醐味を味わっていただきます。
ゼミではそうした分析から仮説を立て、理論的に導き出される内容との照合を繰り返し実践していくことで、企業経営や証券市場のプレイヤーという観点から現実を見抜く力を磨き高めていきます。そうした力を実践的に試行する場として、日経ストックリーグなどのコンテストにも毎年参加し、高い評価を得ています。また卒業生の多くは大企業に就職するのみならず、金融市場のプロフェッショナルとして活躍していたり、あるいは経営者として自ら企業を立ち上げ、その価値創造に果敢に取り組んでいます。


北谷 嶺

北谷 嶺

商学部4年

加賀谷ゼミでは、「会計学」や「経営学」を基礎として企業を多面的に分析し、「企業価値」について学んでいきます。企業の値付けを研究する学問への関心、企業を俯瞰した立場から会計を通じて定量的に企業を分析し、経営学の知識をもってその意味付けを行う反復作業に興味をもちこのゼミを選びました。
ゼミで学ぶことの一例として、企業の収益構造や財務状態の分析があります。同じ業界でも、収益構造が異なるというのはしばし観測できる現象です。これが株式市場からの評価や企業の強みにどう影響しているのかについて分析し、強みを最大限発揮するには何を行うべきなのかに対しての仮説を経営戦略や企業価値評価の観点から導出します。
発表の準備で大変な時期もありましたが、ゼミでの経験や気づき、個性豊かなゼミ生との交流はかけがえのない経験でした。分析力を鍛えるには幅広い知識が必要ですが、貪欲さと気合をもった学生には最適のゼミです。

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