ゼミ紹介

『大学案内2025』より

経済学部 横山ゼミ「労働経済学・応用計量経済学」
社会に役立つ経済学を身に着けるゼミ

横山 泉

横山 泉 教授

ミシガン大学にて経済学Ph.D.を取得。一橋大学経済学部5年一貫教育システムの第一期生。2013年にテニュアトラック講師として着任後、2023年4月に教授に昇任。代表作にTakaku and Yokoyama (2021, Journal of Public Economics)など。2023年度日本経済学会・女性研究者奨励賞(日本生命賞)を受賞。2021年より全世代型社会保障構築会議の構成員を務める。

ゼミ風景

横山ゼミでは、3年次の前半は、米国の労働経済学の教科書『Labor Economics』(著 George J.Borjas)を用いて、労働経済学の理論をしっかりと勉強します。具体的には、各ゼミ生に割り振られたChapterの内容をプレゼン形式で報告してもらうことで、労働経済学を自分の言葉で説明できるまで基礎を固めます。その際、各理論が実際の社会でどのように活かされているかも議論することで、より具体的なイメージを伴った深い理解にまで導きます。また、対応する理論の応用例として、教科書のアメリカの例だけでなく日本の事例を紹介することにしています。また、私自身が、2021年より全世代型社会保障構築会議の構成員を務めていることもあり、最新の政策の方向性等に関して、ゼミ生間でも議論の機会を設けることで、政策立案にも経済学を活かせる応用力、思考力を身に付けます。Borjasの教科書をカバーし終わった後は、各年に話題となった和書を皆で選び、輪読するということも行います。それにより、時事的な日本の労働市場や政策の状況を教養として身に着くため、この過程は就職活動にも役立ちます。
3年次の後半は、マイクロデータを用いた実証研究を自分で行えるようになることを目標とした指導を行います。そして、4年生になるまでに、自分で仮説を立て、それを検証する手法や推定モデルを構築するスキルや、Stataを使って実際にデータを分析できるスキルを取得します。
4年次には卒業論文を指導します。その際、仮説の新規性や、それを検証する手法や使用データなどの妥当性を重視するため、Topicは労働に限らず、個人の関心を尊重します。
経済学部の中では女子の比率の高いゼミで、2023年度の3年生は女子と男子の比率が3:5で毎年その傾向は強まってきています。研究は極めて真面目に行いますが、ゼミを楽しんでもらうため、明るく楽しい雰囲気を忘れないようにしています。同期のゼミ生同士はもちろんのこと、学年間の仲も良いゼミだと言えると思います。


キム ジミン

キム ジミン

経済学部4年

私は女性労働、特に女性の労働と育児の両立に興味があり、横山ゼミに入りました。ゼミでは、企業の賃金政策、人材教育、そして政府の労働政策などについて学んでいます。
3年次の春夏学期には、テキストを輪読し、各自が作成したレジュメを基に発表を行います。秋冬学期では、統計ツールStataの使用方法と、Stataを用いた実証分析の方法を習得します。データ分析の初心者でも安心してください!横山先生はデータの入手方法から分析手法まで、丁寧に指導してくださり、資料も充実しています。
4年次では卒業論文の準備を進めます。テーマは労働経済学に限らず、学生個々人の興味に合わせた研究が可能です。自身のテーマに沿ったものを、Stataでデータ分析し、考察するというのが卒業論文の大きな流れです。例えば、働き方改革やテレワークがどのように経済的影響を与えるのか研究するなど、テーマは様々です!
研究者としての横山先生は、論文を書かれるだけでなく、全世代型社会保障構築会議という政策に関わる政府の審議会の構成員でもあるため、政府での政策決定がどのように行われているか、そして、労働経済学が実際政策としてどのように応用されるのかもゼミを通して身近で感じることができ、とても有益な時間を過ごせています。
横山先生は非常にフレンドリーで、悩み事にも親身になって相談に乗ってくれます。ぜひ横山ゼミを検討してみてください。

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