ゼミ紹介

『大学案内2026』より

商学部 角ヶ谷ゼミ「会計学」
世界の会計・監査・ガバナンス制度の多様性を探る

角ヶ谷 典幸 教授

角ヶ谷 典幸 教授

一橋大学より博士(商学)を取得。1995年以降、名古屋大学等で教鞭を執り、2020年より現職。その間、米国ワシントン大学フルブライト研究員および豪州マッコーリー大学客員研究員として在外研究を行った。公認会計士試験委員、税理士試験委員等を務めた。現在は会計人の判断力に関する研究を行っている。

ゼミ風景

皆さんも、新聞やニュースで、売上高、利益、資産といった言葉を耳にしたことがあると思います。会計基準はそのような企業の業績や規模を測るためのルールを定めたものです。会計基準には、世界の約160ヵ国が適用しているグローバルな国際財務報告基準(IFRS)とローカルな日本基準があります。一般的には、世界経済がグローバル化しているのだから、日本の上場企業もIFRSを適用すればよいと思われています。しかし、現実はそうなっていません。日本の上場企業の多くは、日本基準を適用しています。なぜなのでしょうか。角ヶ谷ゼミでは、こういう自明とはいえない現象を、「なぜ」を繰り返しながら、深く思考していきます。皆さんにも、会計学の深みと拡がりを味わっていただきたいと思います。
3年次の前半では、教科書を輪読する作業を通じて、基礎的な知識を習得するとともに、実際の企業データを用いながら分析方法を学習します。3年次の後半からは、共同研究を行い、ディベートやプレゼンテーションの方法を身に付けます。ここ数年は、相模湖での夏合宿が恒例になっています。バーベキューをし、お風呂で汗を流し、手品などの特技を披露し、心和んだところで、夏休み中に用意してきた題材を持ち寄って共同研究のテーマについて話し合います。昨年度は、「ユニクロの拡大戦略」「会計不正」「リスク情報と企業業績」といったテーマで研究を進めました。4年次には、各自、関心のあるテーマを定め、卒業論文の作成に向けて調査・執筆・報告・討論を行います。卒業論文のテーマは実に様々です。
共同研究は3年生が中心になって、4年生がアドバイスをしながら進めます。その成果は、例年、12月に行われる京都大学とのインゼミおよび2月に行われる韓国の大学とのビジネスプレゼンテーション大会で披露されます。角ヶ谷ゼミの卒業生はこれらの大舞台の経験を糧にし、誇りにして、社会に羽ばたいていきます。


鯉沼 杏佳

鯉沼 杏佳

商学部4年

角ヶ谷ゼミは「会計学」を深く広く学ぶゼミナールです。本ゼミ最大の魅力は、3年次の後期から始まる共同研究にあります。ここでは、班ごとに自由にテーマを設定し、約半年間かけて研究を進めていきます。テーマは、企業の経営分析や企業情報(有価証券報告書)の定性・定量分析など多岐にわたります。初めは分からないことだらけで不安でしたが、先生や先輩方の手厚いサポートのおかげで満足のいく成果を得ることが出来ました。完成した研究は、京都大学や韓国の大学の学生に向けて発表する機会をいただけます。自分たちの研究を国際的な場で英語で発表するのは非常に緊張しましたが、貴重な経験になりました。
卒業後の進路がどのようであっても、有価証券報告書を読み解く力や企業の経営状況を正確に把握する力は、必ず役に立つと思います。角ヶ谷ゼミを通じて得た高度な会計知識、プレゼンテーション能力、そして大切な仲間を今後も大事にしていきたいです。

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