社会学部

アドミッション・ポリシー

受験生へのメッセージ

社会や実生活と学問が切り結ぶ瞬間を体験してほしい

中田 康彦氏

中田 康彦

社会学部長・社会学研究科長

最近は高校までの学校教育改革の中でも「主体的な学び」が声高に語られるようになっています。しかし、大学ではそれ以前から「主体的な学び」が求められてきました。学問の本質的な性格として、能動的な姿勢が求められるからです。
私は大学1年生のとき、内田義彦さんという社会科学者の言葉に出会いました。彼は著作の中で、読書の心構えとして「信じて疑え」という言葉を掲げていたのです。これは読書にとどまらず社会事象と向き合う場合にもあてはまる姿勢でしょう。初めからバッサリ切り捨てるのではなく、他者の主張や事象が物語ることを最大限に理解する。そのうえで、鵜呑みにせず「本当にそれでよいのか」と批判的に検討することは、学問だけではなく実社会で生きていくうえでも大切なことです。そのためには、多様な解釈に思いをはせる想像力、多様な可能性を受け入れる姿勢、多面的に考えられる判断力などが必要となります。
社会学部・社会学研究科は、社会科学の諸分野に「人文学」を加えた多様なカリキュラムを提供しています。言い換えれば、特定の学問領域に限定されないことが社会学部・社会学研究科の特徴です。大学全体として隣接諸学に接することを大切にしていますが、社会学部・社会学研究科ではことのほかその姿勢を重要視しています。多様な学問分野を学び多様な視点を身につけることは、学問に限らず、物事を理解し向き合ううえで重要なツールとなるからです。
「疑問をもつ」「考える」「答えをだす」「行動する」という学びの一連のプロセス(もしくはその初歩)。それは大学という空間や大学生である期間にとどまらず、学外での生活や卒業後に及ぶかもしれません。そのような学びの交錯を体験できるのが、一橋大学の社会学部・社会学研究科なのです。(談)

学部概要

多彩な開講科目、個性的な教員を擁する、社会科学の総合学部

一橋大学の社会学部は、国立大学の中でただひとつの社会学部です。その英訳名Faculty of Social Sciencesが示すように、社会諸科学の幅広い総合を目指す「社会科学の学部」であり、「社会学(ソシオロジー)」に限定された学部ではありません。もちろん社会学は多様で広範な領域を含み、社会学部の大きな柱のひとつですが、社会学部ではそれ以外にもたくさんの学問を学ぶことができます。
もともと商法講習所以来、一橋大学は、商学や経済学を起点としながらも、社会や人間、歴史や文化といった多様な領域に目を向けることで、常に広い視野をもち多様なアプローチを通じて問題に取り組むという独自の学風を作り上げてきました。「社会科学の総合」という本学の理念を象徴するこの独自の学風を、社会学部は研究・教育におけるもっとも大切な要素として受け継いでいます。
社会学部の組織は4つの研究分野(社会学研究、共生社会研究、歴史社会文化研究、超域社会研究)をベースに編成されており、教員はそれぞれの研究分野に属して教育研究活動を行っています。多彩な開講科目、個性的な教員、少人数のゼミナールによる濃密な教育が社会学部の最大の特徴であり、他学部に比べて教員や学生が多様性に富んでいることも特色です。
小冊子『社会学部履修ガイド』には、多彩な講義群からの履修方法について、アドバイスが満載されています。
国際的に開かれた社会学部は、教員も学生も海外とのつながりが深く、外国人留学生や、在学中に留学する学生がたくさんいます。「グローバル・リーダーズ・プログラム」に参加して、外国語力に加え地球規模の課題の解決力を鍛えることもできます。
また、学部・大学院(修士課程)を5年間で修了できるプログラムもあります。
社会学部は総合性、専門性、人間性、国際性といった基盤的能力の育成を通じて、企業人、公務員だけでなく、ジャーナリスト、教員、研究者など、多方面で活躍する人材を数多く輩出しています。
社会学部は現実への批判的関心と、旺盛な知的好奇心を持つ、個性的な学生を歓迎します。

卒業生から

幅広い講義群からの学びと努力好きな仲間との出会い

『大学案内2026』より

小門 麻理子

小門 麻理子

2017年 社会学部卒業
東京海上日動火災保険株式会社

初めて一橋大学を訪れた際、美しく歴史的な時計台棟や兼松講堂に胸を打たれ、「絶対にこのキャンパスで学びたい」と思いを強めたことを今でも鮮明に覚えています。
社会学部は社会学だけでなく、哲学や社会心理学、教育学等、多様な領域を学ぶことができる学部です。受験当時、大学卒業後の明確なビジョンを持っていなかった私にとってぴったりな学部でした。また、本学の特色の一つに「学部間の垣根の低さ」があります。経済学部や法学部の授業も履修することで、より多角的な視点を養うことができたように思います。
本学での学びを経て、卒業後は社会科学の総合的知見や多角的な視点を活かし、幅広い事業と関わることができる業界で働きたいと考え、損害保険会社に入社しました。現在は企業向け商品を組成する部署に所属し、企業の挑戦を保険で後押しすることで社会課題の解決に取り組んでいます。
本学で得たものの中で、幅広い知識や視野はもちろん、「人との縁」も今の私の大きな支えになっています。学部だけでなく部活動や語学のクラスなどで、小規模な大学ながらも多くの仲間と出会いましたが、本学の学生は「目標に向かって努力を惜しまない、努力をすることが好きな人」が多いように感じます。学生時代に得たそんな努力好きな仲間たちは、卒業後も私を鼓舞してくれる存在です。皆様がこの美しいキャンパスで、最高の仲間と切磋琢磨しながら、充実した大学生活を送られることを願っております。

美しい街で幅広い知識と出会う4年間

『大学案内2025』より

為我井 崚

為我井 崚

2020年 社会学部卒業
集英社

国立は季節によってたくさんの顔を見せる美しい街です。大学の敷地には、遊びに来た子どもたちや写生をするお年寄りの方々が多くいらっしゃいます。そして、端正な校舎に施された妖怪をモチーフにした装飾に目を奪われる。そうした多様な環境や人々とともにある一橋大学の授業は、いい意味で"雑多"なものでした。ゼミでは日本歌謡曲を研究対象にした言語学についての卒業論文を書き、授業ではジェンダー論や当時採択されて間もなかったSDGsに関して学び、今思うと『学ぶ』というよりも『幅広い知識を得る』ことができた期間だったと思います。当時知ったことや授業で出会った思いがけない興味の積み重ねで今の自分が形成されていると確信しています。
現在は出版社で広告営業をしていますが、広告会社やクライアント、編集部など異なる立場の人たちと関わる上で、大学で身に着けた多様さは大いに役に立っています。また、多くの業種のクライアントと向き合う際に、幅広い知識が話のタネになることも多いです。
一橋大学は決して大きな大学ではないからこそ、ふと卒業生に出会うととっても嬉しい気持ちになります。皆さんともいつかどこかでお会いできることを願っております。

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一橋大学について