ゼミ紹介

『大学案内2026』より

ソーシャル・データサイエンス学部 加藤ゼミ「マーケティング・サイエンス、ベイズ統計学」
学術的知見のマーケティング現場への実装を目指す

加藤 諒 准教授

加藤 諒 准教授

2019年慶應義塾大学大学院経済学研究科より博士(経済学)。神戸大学経済経営研究所准教授を経て、2023年より現職。現在、神戸大学とのクロスアポイントメント。専門分野はマーケティング・サイエンス、ベイズ統計学、実証会計学。学術知見のビジネス応用のために様々な企業の技術アドバイザー等を務める。

ゼミ風景

本ゼミナールでは、マーケティング分野の学術知見を企業活動に応用できる人材になることを目指します。現代のビジネス課題の解決には、データを解析するスキルが必要不可欠だと考えています。しかし、AIの進化により単なるデータ解析の習熟だけでは十分とは言えません。定型的な処理を超えて付加価値を生み出せる能力が重要であると思うからです。例えば、現場に根差した分析とその説得力ある解釈を行うためには、マーケティングにとどまらないビジネス全般やマネジメントの知識が欠かせません。さらに、新規施策を立案する場面では既存のデータを分析するだけでは対応が難しく、(行動)経済学・経営学・心理学などの知見が大いに役立ちます。本ゼミナールでは、こうした多様な知見を広範に学び、それらを統合して活用できる人材へと成長してほしいと願い、活動を行っています。
具体的に本ゼミナールでは、3年次にマーケティング・サイエンスや統計学などの代表的テキストを輪読し、マーケティング分野における統計学について学びます。それと同時にチームでデータ解析コンペ等に参加し、理論を実装へ落とし込む技術を習得します。4年次には各自が設定したテーマで卒業論文を執筆し、研究計画立案からデータ収集・分析・論文執筆までを一貫して経験します。
また、ビジネスの現場で実際に活用されているデータに触れ、その解析結果が経営意思決定へ反映されるという過程を学習するため、広告・小売・コンサルティングなど多様な業界からゲストスピーカーを招きます。これにより、ビジネス現場でのデータ解析へのニーズや、データ解析による課題解決プロセスを体験します。またこれら企業との共同研究も強く推奨しています。もちろん、ここで得た学術的知見をさらに発展させるために、大学院へ進学することも推奨しています。
皆さんとキャンパスで会えることを楽しみにしています。


桑原 周平

桑原 周平

ソーシャル・データサイエンス学部3年

加藤ゼミでは、ベイズ統計学およびその応用であるマーケティング・サイエンスに加えて、実証会計学も扱っています。大学院生も参加する輪読会や、企業の実データを用いた分析を学部生のうちから経験できるなど、“理論×実践”が大きな特徴です。
輪読会では、学部生が主体となって資料を準備し発表を行います。その場で先生や大学院生からフィードバックを受けることで、複雑な概念や数式を言語化する力が自然と養われます。
加藤先生は、実際に様々な企業からマーケティング施策の提案を依頼される実務家でもあり、ゼミの中でも常に企業の意思決定という視点を意識できます。また、ゼミの内容に限らず、幅広い質問や相談にも親身に応じてくださる気さくな先生です。
ソーシャル・データサイエンス学部は、AIや認知科学、高度な数学など多様な分野を学べる環境が整っており、ゼミでの実践的な経験と組み合わせることで、幅広い教養と高度な専門性をバランスよく深めることが可能です。

ABOUT

一橋大学について