ゼミ紹介

『大学案内2019』より

白瀬ゼミ「社会政策・社会福祉研究」
暮らしに即した支援のありかたを考える

白瀬 由美香 教授

白瀬 由美香 教授

一橋大学経済学部、社会学部卒業。2006年一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了(博士(社会学))。同志社大学政策学部講師、国立社会保障・人口問題研究所室長などを経て、2015年一橋大学准教授に着任。2017年より現職。主な研究関心は、日本およびイギリスにおける保健・医療・福祉サービスの供給システム。

ゼミ風景

社会政策は、労働や社会保障など私たちの日常生活に密着した事柄を対象として、それぞれの時代における社会問題の解決を志してきた研究分野です。時代が変われば、何が社会問題であるのかも変わっていきます。現在は、少子高齢化にともなう様々な問題が指摘されているほか、社会福祉制度による既存の支援が十分に行き届かず、暮らしに困難を感じている人びとの存在が浮き彫りになってきました。
こうした社会問題を念頭に、ゼミでは社会政策や社会福祉の理論、実践に関する題材を扱った文献講読をしています。文献をもとに論点を出し合い、お互いに議論を重ねることで、学際的に知識を深め、多様なものの見方を身に付けていきます。また、長期休暇中などゼミ以外の時間にも、行政機関や福祉施設などを訪問し、支援現場の実状を知るとともに、フィールド調査の方法についても実践的に学んでいきます。これらを通じて、人々の日常生活の実態を踏まえて、より良い支援を実現するには、どのような政策が求められるのかについて理論的・実証的に検討を進めていくことを目指しています。
また、文献講読やフィールド調査実習と平行して、学生は各自が関心のあるテーマについて卒業論文に向けた研究を進めていきます。理論や歴史の研究をする場合でも、本や論文を読んでまとめるだけではなく、できるかぎり何かしら現場に行き、自分で見たり、聞いたりすることを勧めています。4年生は年間数回、卒論の中間報告を行い、内容のブラッシュアップを図っています。3年生も卒論報告の議論に参加して、各自のテーマを模索し、学年末にはゼミ論文集に1万字程度のレポートを執筆します。
社会政策に関わる題材は私たちの身近なところにあふれています。簡単に答えが出ないだけに、やりがいのある分野でもあります。日常生活で感じる疑問を出発点として、学生の皆さんとともに21世紀の福祉を考えていきたいと思っています。


小堺 千種

小堺 千種

社会学部3年

皆さんは福祉という言葉を聞いて何を思い浮かべますか?障害者支援や高齢者の介護、生活保護などでしょうか。
日本は高齢化先進国といわれ、世界でもっとも高齢化の進んでいる国です。私たちのゼミでは、誰にとってどのような福祉制度が必要なのか?支援が行き渡るためには何をすれば良いのか?ということを考えています。主に行う文献の輪読では、社会福祉 の歴史や意義、貧困のメカニズムについて学びます。また夏休みには、北海道で障害者支援の現場で働く方々にインタビュー調査を行いました。そこでは人手不足の現状や支援の難しさ、職員さんの情熱を肌で感じることができました。私にとって初めての本格的なインタビューでしたが、先生のきめ細かいサポートのおかげで有意義な調査になりました。皆で食べた本場のジンギスカンも良い思い出です!
このように座学とフィールドワークを通し、支援の対象と 供給システムの両面から福祉を捉えることができるのが本ゼミの魅力です。
2017年10月撮影