ゼミ紹介

『大学案内2020』より

山田ゼミ「国際関係論」
多様な世界をいろいろな角度から学ぶ

山田 敦  教授

山田 敦 教授

一橋大学社会学部卒、米コロンビア大学に留学後、一橋大学法学研究科にて博士(法学)。講師、助教授を経て、2007年より教授。2009~11年にカリフォルニア大学バークレイ校で客員研究員、2018年4月から国際・公共政策大学院長、12月より一橋大学副学長をつとめる。専門は国際関係論(国際政治経済学)。

ゼミ風景

私たちのゼミは、国際関係論(国際関係学)を学んでいます。ゼミの学生が卒業論文のテーマに選ぶのは、戦争やテロ、核問題、貿易、環境、移民・難民、サイバーセキュリティなどさまざまですが、国境を越えたグローバルな問題に取り組もうとする点で共通しています。
国際関係を学ぶことは、多様性を知ることだと考えています。世界には人種、宗教、文化、政治的意見の異なる人々がいて、しばしばひどく衝突しますが、いろいろな位相で互いに結びついています。その結びつきを、俯瞰したり、近寄ってみたり、角度を変えて観察したりするのが国際関係論です。1つだけだった見方が、2つ、3つと増えていくにつれ、異なる見解を排除するのではなく、それを尊重し、共生する道を探ろうとしていく̶̶そんな姿勢をゼミの学生が身につけてくれるように願っています。
ですから、学生たちの問題関心が千差万別であることは、多様性の観点から望ましく、むしろゼミの一体感を高めているように思います。貿易自由化が世界経済を発展させるという研究発表があれば、安全保障に関心のある学生は、武器貿易も増やすべきなのかと問題提起します。環境に関心のある学生は、海産物貿易が盛んになれば乱獲によって生態系が危うくならないかと指摘します。すると別の学生が、ではなぜ自由貿易協定が次々と結ばれているのだろうと問いかける、といった具合に議論はつながっていきます。
法学部には国際関係のゼミが複数あって、教員の専門分野は異なりますが、学生がそれぞれ自由に研究課題を選ぶ点では共通しています。もちろん、チームで活動する場面もあります。国内だけでなく、海外の大学(たとえばケンブリッジ大学やソウル大学)と合同ゼミを開催するときには、みんな一緒にプレゼンテーションとディスカッションの準備に明け暮れています。そうした交流の機会も、多様性を体験する上でとても貴重なものです。


北村 薫

北村 薫

法学部3年

私の所属する山田ゼミは国際政治経済を専門としておりますが、広く国際関係論を学ぶゼミです。毎回事前に日本語・英語の文献を読み込み、議論と質疑応答の後に先生から講評と指導をいただくという形式で行われ、議論のテーマは学生達で決めるため自分の興味のある分野について学ぶことができます。ゼミ生には海外経験のある人も多く、多様な経験に裏打ちされた意見は新鮮で、議論の度に新たな視点を得られます。
11月にはソウル大学の学生と議論し、2月にはイギリスへ行きケンブリッジ大学の学生と合同ゼミを行うなど、海外の大学生達と意見交換する機会があるのも魅力の一つです。
日々移り変わる国際情勢を踏まえ、これまで学んできた理論や知識を用いて同じ志を持つ仲間達と議論するのは楽しく有意義です。その議論に対し、政治・経済・国際問題に幅広く精通する山田先生からいただくご指摘は大変貴重で、毎回自分が成長していくのを感じることができます。
2018年10月撮影

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