商学部

一橋大学商学部は、企業や市場に関連した現象に関心を持ち、それを深く観察することを通して解決すべき問題を設定し、社会科学的な思考・理論と現実の現象との往復運動を繰り返しながら問題に対する解を導き、それを創造的に実行に移すことのできる人材を社会に送り出すという使命を担っています。そのために、商学部に入学した学生は、経営学や会計学、マーケティング、金融論といった領域を中心として、「企業や市場に関連する応用社会科学」を、少人数のゼミナールにおけるきめ細かな指導と、基礎から応用に着実に展開する段階的なカリキュラムを通じて、学んでいきます。
入学後に学習を効果的に進めるためには、社会全般に対して高い関心を有していることが重要です。企業や市場に限らず、様々な社会的問題に対する関心を抱くことは、自ら課題を見つけ、主体的に学んで、解決策を導こうとする意欲の源泉になるからです。
また、企業や市場に関連する応用社会科学を理論的に深く理解し、現実の現象を実証的に分析するためには、高度な数理的・論理的能力が必要となります。さらに、国際社会で活躍するためには、外国語によるコミュニケーション能力だけでなく一般的な言語能力が不可欠です。高等学校までの学習において、これらの基礎を身につけておくことにより、商学部での学びはより充実したものとなるでしょう。このような方針に基づいて、商学部の入試は実施されています。
本学部では推薦入試も行っており、特定の分野に特に優れている者に対して門戸を開いています。推薦入試では、センター試験で一定の成績を求めるとともに、第2次試験で小論文と面接を実施して、多面的な評価を行っています。さらに、私費外国人留学生入試を実施して、世界各国の留学生を積極的に受け入れています。商学部に所属する学生の約1割は、中国、台湾、韓国等東アジア地域を中心とする海外からの留学生です。

受験生へのメッセージ

真の「実学」を身につけたCaptains of Industryを育てる

田中一弘氏

田中一弘

商学部長・経営管理研究科長

商法講習所以来の商学・経営学の伝統を受け継ぐ一橋大学商学部は、一言でいえば「ビジネス」を学ぶところです。しかし単なるテクニックやノウハウを身につけるところではありません。経営学、マーケティング、会計学、金融論といった「企業と市場に関わる応用的な社会科学」の理論を学び、その背後にある思想・哲学をも学びます。そしてビジネスに関わる現象の本質を見抜き、効果的な解決策を打ち出し、それを実践していく力を養います。真の「実学」を身につける。それが商学部での4年間の学びです。
そこで重要な役割を果たすのが「ゼミナール(ゼミ)」という少人数教育メソッドです。商学部では特にこれに力を入れています。学生は入学から卒業まで常にいずれかのゼミに所属することが義務づけられ、4年間にわたってゼミ指導教員からきめ細かな教育を受けます。
この「ゼミ」を中核として、ビジネスを広く深く学べるよう様々な「講義」が体系的に提供されています。またグローバル人材育成を強化すべく、充実した英語コミュニケーションスキル科目や、1年次末に選抜された約15名が英語でのゼミ・講義や長期海外留学で鍛えられる渋沢スカラープログラム(SSP)も用意されています。
商学部がこうした教育を通じて育てるのは、本学全体のモットーでもある“Captains of Industry”に他なりません。商学部ではCaptains of Industryの姿を、その役割に不可欠なLeadership、営利活動と社会発展の原動力となるInnovation、倫理・道徳の核心であるIntegrityという3つのキーワードでとらえています。
真の実学を学びグローバルに活躍できるCaptains of Industryになろうという志をもつ皆さんの入学を、緑豊かな国立の地でお待ちしています。(談)

学部概要

ビジネスの世界で力を発揮する理論的思考能力・解決能力を養う

商学部は、商法講習所、東京高等商業学校、東京商科大学から続く一橋大学の伝統を中心的に受け継いできた学部です。
"Captains of Industry"の育成という本学の使命の下、商学部はアカデミズムに裏付けられた実践的な分析能力と解決能力をもつリーダーを育てることに力を入れてきました。卒業生の多くが実業界を中心に日本の経済・社会の発展を牽引し、あるいは社会が直面する様々な課題の解決に貢献しています。
商学部で学ぶのは、「企業や市場に関連する応用社会科学」です。企業や市場に関連した現象を様々な角度から理論的に解明するために、経営学や会計学、商学、経済学、歴史学、社会学、心理学など多様な社会科学の学問を幅広く学び、現実世界の解明へと応用していきます。これによって理論的に深く考える能力が身につき、高度専門職業人として生きていく上で大切な力となります。同時に、高度に知的なトレーニングと人間的なふれあいを特徴とする少人数のゼミナール教育を通じて、高い知性と倫理性を備えた高潔な人格を育んでいくことも、商学部が目指すところです。
商学部生は全員が入学時から卒業するまで、本学伝統の「ゼミナール」が必修となっています。1年次の「導入ゼミナールⅠ・Ⅱ」に始まり、2年次の「前期ゼミナール(英書精読)Ⅰ・Ⅱ」を経て、3・4年次の「後期ゼミナール」まで、学年進行とともに、基礎から応用へと段階的に高度化・専門化していきます。
一方、講義科目については商学部の教育に必要とされるコアの学部導入科目を学んだ後、学部基礎科目、学部発展科目に進みます。これらの講義科目は、段階的・体系的コースワークの性格を強めたものになっています。それに加えて、企業や団体による寄附講義を多数開講し、第一線で活躍する実務家教員による教育も行われています。
商学部ではまた、特に優れた学生のために「学部・修士5年一貫教育プログラム」が用意されています。このプログラムを履修することにより、学士課程入学から大学院修士課程修了までの5年間(通常の修業年限は6年)で学士号に加えて修士号も取得することができます。
商学部がその教育において重視しているのは、実践志向の強さと国際性の高さです。ここでいう実践志向とは、学んだことを単に知識のレベルにとどめるのではなく、直面する問題の解決に向けその知性を創造的に動員し、なおかつ解決の実現に向けて自らコミットすることを意味しています。また国際性とは、使用する言語や文化的背景の相違に制約されることなく自らの能力を発揮できることを意味しています。本学部は世界各国から多数の留学生を受け入れているのみならず、逆に「世界に平然と打って出る」商学部生を増やしていきたいと考えています。英語によるゼミナールや専門科目の履修、海外留学を取り入れた、グローバル・ビジネスリーダーの育成を目指す渋沢スカラープログラム(SSP)は、そうした取り組みの核になるものです。
社会科学的な知性を身につけ、高度な専門知識を駆使する職業人として世界を舞台に活躍しようと志す人の期待に、商学部は十分に応えます。

卒業生から

今ある自分を形成する礎

『大学案内2020』より

高橋 翔

高橋 翔

2009年 商学部卒業
日本航空株式会社

思い返せば一橋大学での授業はどれも贅沢で魅力的でした。体系的な学問に留まらず、時にはビジネスの現場のリアルな情報を教えてもらえる講義も行われ、そうした貴重な機会に当時は胸が躍りました。学部間の垣根が低いため、他学部の授業も気軽に履修ができ、必然的に他学部生と交流する機会も多くなります。授業を通じて深めた社会科学への見識と幅広い学生交流を通じて築いた人脈は、自分に新しいアイディアを与えてくれ、視野を広げてくれました。
私は現在、ロンドン支店の総務に所属し、人事業務や支店運営業務に携わっております。異国の地での管理部門業務は、それまで従事していた営業・販売業務と異なる性質の課題に数多く直面します。人材管理や組織論などの授業を通じて学んだ知識や留学生との交流で身に付いた国際感覚が、現在の職務を全うするために活かされていることを実感します。
一橋大学は受験生の皆さんが持つ大学生活に対する様々な期待にしっかり応えてくれる大学だと確信しています。ハイレベルな講義やゼミ。篭って机に向かった図書館。多方面で活躍するかけがえのない友人たち。そして必死に汗を流したボクシング部の練習。これらが今ある自分を形成する礎になっていると今でも強く感じております。

学ぶことの醍醐味を教えてくれた場所

『大学案内2019』より

手塚 洋平

手塚 洋平

2007年 商学部卒業
野村総合研究所(カーネギーメロン大学テッパースクールオブビジネス留学)

一橋で過ごした時間は、生涯を通じて「学ぶこと」の楽しさを教えてくれました。
特に印象深い授業は、様々な企業の戦略をグループで分析し、示唆を抽出するものでした。実業経験の深い教授は、示唆に対して「なぜそう思うか」を厳しく追及し、座学で学んだ理論を知識として昇華させ、意味のある分析にすることを求めます。経験したことのない課題に取組む過程で、チームメイトと議論に没頭したり、締切前に徹夜作業をしたり...新しいことに取り組む面白さと充実感を、生涯の仲間と共に肌で感じました。
これらの経験は、企業の抱える課題に対して、チームで考え抜いて成果を出すというコンサルティング業界でキャリアを踏み出す礎となりました。
技術変化の著しい今日では、生涯を通じて「学ぶこと」が重要となります。私も社会人になってもう一度学びたいと考え、現在米国に留学しています。決意を後押ししたのは、大学3年次の米国派遣留学で各国学生と一緒に「学ぶこと」の楽しさが忘れられなかったためです。
一橋は皆さんのこれからの人生を豊かにする最高の場を提供してくれます。四季を感じる美しいキャンバスで、「学ぶこと」の楽しさに触れてみてください。

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